風邪やインフルエンザに負けない体を支えるハーブ ― エルダーの力

季節の変わり目になると、喉の痛みや鼻づまり、発熱など、風邪やインフルエンザの症状に悩まされる方が多くなります。そんなときにヨーロッパで古くから親しまれてきたハーブが「エルダー(Elder)」です。日本では「エルダーベリー」や「エルダーフラワー」として知られ、自然の力で免疫力をサポートする植物として注目を集めています。

エルダーは学名を Sambucus nigra(セイヨウニワトコ) といい、レンプクソウ科に属する落葉低木です。熟した黒紫色の実は「エルダーベリー」と呼ばれ、花は「エルダーフラワー」として利用されます。どちらも古くからヨーロッパの伝統医療に用いられ、風邪やインフルエンザ対策、さらにはアレルギー症状の緩和にも役立つとされています。

ベリーとフラワーはそれぞれ異なる働きを持ちながら、どちらも免疫力を高め、身体の防御力を助ける効果が期待できます。エルダーベリーには抗ウイルス作用があり、体内に侵入しようとするウイルスの増殖を抑える働きがあるといわれています。また、抗酸化作用にも優れ、体内の活性酸素を除去して細胞の老化を防ぐサポートもしてくれます。これにより、風邪の初期症状を和らげたり、回復を早めたりすることができます。

一方、エルダーフラワーには、発汗を促して熱を下げる作用や、鼻づまりや喉の炎症を和らげる効果があります。特に、花に含まれるフラボノイド成分が鼻や喉の粘膜の炎症を鎮め、花粉症やアレルギーによるくしゃみ・鼻水にも効果的だとされています。そのため、ヨーロッパでは春先のアレルギーシーズンにもよく使われています。

近年の研究では、エルダーベリーの有効成分がインフルエンザウイルスの感染を阻止する働きを持つことが示されています。臨床試験では、エルダーベリーを摂取したグループが風邪やインフルエンザの症状の改善が早かったという報告もあります。また、ベリーに含まれるポリフェノールが免疫細胞を活性化させることも確認されており、抗菌・抗炎症・抗酸化など、幅広い健康効果が期待されています。

さらに、エルダーフラワーの抽出液には利尿作用もあり、体内の老廃物を排出してむくみを改善する働きもあります。発汗と利尿を促すことで、体にこもった熱を外に逃がし、自然なかたちで体調を整えてくれます。まさに、体の中からデトックスをサポートする植物といえるでしょう。

エルダーは、風邪やインフルエンザの季節だけでなく、季節の変わり目の体調管理や、アレルギー対策にも心強い味方です。花粉症の時期にエルダーフラワーティーを飲むことで、鼻や喉の違和感をやわらげる効果が期待できます。また、免疫を整えることで、外からの刺激に対して過剰に反応しにくい体づくりにも役立ちます。

実際にヨーロッパでは、エルダーベリーのシロップが家庭の常備薬のように使われており、子どもから大人まで幅広く親しまれています。風邪のひき始めにお湯で割って飲んだり、紅茶に加えたりすることで、体を温めながら免疫力をサポートします。エルダーフラワーもハーブティーとして人気が高く、ほのかな甘い香りとすっきりとした味わいが特徴です。リラックス効果もあり、就寝前に飲むと安らかな眠りを誘ってくれます。

ただし、注意すべき点もあります。エルダーの果実や葉、茎などには、未熟な状態ではわずかに毒性を持つ成分が含まれています。製品化されたエルダーベリーエキスやシロップは安全に処理されていますが、生の果実をそのまま食べるのは避けましょう。加熱や適切な加工を施したものを選ぶことが大切です。

エルダーは、自然の力で私たちの健康を支える頼もしい存在です。免疫を高め、風邪やインフルエンザの予防に役立つだけでなく、アレルギーや炎症の緩和、美容やアンチエイジングのサポートにもつながる万能ハーブといえます。日々の健康維持に、エルダーベリーのシロップやエルダーフラワーティーを取り入れてみてはいかがでしょうか。自然の恵みが、あなたの体をやさしく守ってくれるはずです。

季節の変わり目や風邪の流行期には、体調を崩さないためのセルフケアが大切です。
自然の力で免疫をサポートするエルダーベリーを、日常に取り入れてみませんか?
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